選挙制度のあり方
集団的自衛権の議論、さらには憲法改正の議論では、「もし現状を変えてしまったら、いざ非常事態が起こったときに、その時の為政者が間違った判断をしてしまうのではないか?」「一部の政治家と財界が密室で談合して、他の国に一方的に戦争をしかける国になる危険性が生じてしまうのではないか?」という懸念、さらに言えば、最近の低投票率に見られる「どうせ選挙に行ってもムダ」「誰が選ばれても何も変わらないし、信じられない」という政治不信が根底にあることを、まず認識する必要があると思います。
選挙制度のあり方を真剣に検討し、単に1票の格差の解消だけの改革でなく、世のため人のために真剣に生き、真剣に働き、人命や思いやりの大切さがわかっている人の意見がしっかり反映される国にしなければならないと思います。
選挙制度改革により、自らの国の進路を自らの責任で決める日本がはじめて出来上がると思います。
では、選挙制度をどう変えるべきでしょうか?
この点については、私もまだまだきちんと整理できていませんが、少なくとも投票率が低い現状を放置すべきではないと思います。
まず、現在の小選挙区制度の持つ「『死に票』が多い」点を改善することが必要と考えます。
小選挙区制の場合、各党の候補者の意見がわかりやすく対立していて、「黒か白か」という単純な賛否の判断をするのには向いているかも知れません。
しかし、例えば「A党のこの考えとB党のあの考えをミックスしたら良い改正ができる」と有権者が考えたとしても、小選挙区での投票結果は、A党かB党のどちらか一党の候補者しか選ばれません。
特に、大事な論点が複数ある案件の場合、「全部ひっくるめてA党に賛成」とは決め難い面があるはずです。
このように、大きな案件ほど、その中にいろいろな論点が多数あり、丁寧な検討を行うためには、多様な意見を反映させる必要があります。「黒か白か」「A党は善、B党は悪」という単純な二者択一ではなく、複数の意見の良いところを足し上げるようなまとめ方が必要です。
さらに、既に「誰が当選するかがほぼ見えている」と言われる選挙区の場合、自分の票が「どうせ『死に票』になってしまう」と思うと、投票に行くこと自体がムダな行動のように感じられてしまいます。
それでいて、その候補者を信任しているわけではないので、結果的に、政治への不信・失望が増すことになります。
「投票することで一定程度自分の意見が反映される」と国民が考えられるような選挙制度、例えば中選挙区制度が望まれます。
かつての中選挙区制度は「カネがかかり過ぎる」という問題があり、それが小選挙区制度導入につながりましたが、「カネのかからない中選挙区制度」を構築すれば良いと思われます。
また、最近の低い投票率の流れを変えるべく、一部の国が取り入れている制度(例えば「投票に行かなかったら罰金」という制度)の導入も検討する必要があるかも知れません。
そうすれば、全ての国民が必ず意思表明をすることになり、現在のように「選挙運動をやっている人だけが投票する」と言われる状況を変えることができると思います。
皆さんはどうお考えになりますか?
読谷山 洋司
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