効果的な起業促進策とは?
起業の多い・少ないを表す「開業率」という数字があります。
2014年の中小企業白書では、開業率の47都道府県の比較が出ていますが、どこの県が高いと思いますか?
なんと、1位は沖縄県、2位は宮崎県です。
3位以降には、首都圏や関西圏、中部圏の都道府県が並びます。
起業を盛んにすることがこれからの経済再生には不可欠だと思いますが、我がふるさと宮崎県、また我が家の出身地・沖縄県は「起業先進県」として全国をリードしていると言って良いと思います。
私が公務員を辞めて起業したのも、ひょっとしたら「育ち」と「血」のなせる業かも知れません。
それはともかく、少し前(本年4月)の沖縄銀行調査月報の紙上で、私はいくつか起業促進策を提案しました。
私は沖縄銀行のおきぎん経済研究所のアドバイザーとして提言するという執筆依頼に基づいて本稿を書きましたので、タイトルは沖縄経済に関するものになっていますが、全国各地に関係する内容だと思っています。
フランスやドイツの助成制度も紹介し提案していますが、私は特に「兼業」の推進がポイントだと考えています。
これは自分の経験にも基づいています。
そして、地方自治体の促進策の一つとして、例えば起業真っ最中の人の中で、今後のお手本になってくれそうな人に、月額数万円程度で委託をして、自分の起業体験を赤裸々にレポートしてもらう(例えば金融機関との交渉の成功点・失敗点とか、顧客開拓の苦労、だまされた話、など)ことで、その人1人分の食費程度の経費をカバーしつつ、今後の「後輩起業家」の貴重な参考情報を提供してもらうという「現在&未来の起業家支援事業」というアイディアも披露しています。
「選択と集中」「コア・コンピタンス」といった、バブル崩壊後のビジネスモデルとやらで盛んに言われていた「強みに特化する」という発想はもう古いのではないか?
デフレ下の地方では、高付加価値商品を提供しようにも顧客が少ないので、高付加価値・高生産性のみを追求するのではなく、むしろ「あれもこれも」とシナジー効果のある複数の分野の取組みを並行して行い、一つ一つの利幅は小さくてもトータルで収益を上げていくという発想がむしろ必要ではないか?
一人ひとりの生きがい・やりがいのためにも「選択と集中」にこだわらない生き方がこれからは大事ではないか?
私はこう考えています。
読谷山 洋司
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