「丸投げ地方創生」「上から目線地方創生」で良いのか?

最近の地方創生の動きに関し、いくつか意見や異論がある。

 

それは、まず、国の姿勢やマスコミの論調、有識者等の発言の中に「地方が怠けている」「頑張るべきは地方だけ」という先入観が感じられることである。

 

例えば地方における深刻な医師不足をどう解消していくかを考えたときに、医療サービスは地方自治体だけではどうにもならないという点を考える必要がある。

最近話題の「日本版CCRC」も地方が医師不足のままでは推進できないが、医療サービス提供の根幹となる診療報酬はもっぱら国が決める公定価格である。

これを地方ではどうにもできないため、例えば医師確保が困難な地域で開業を促す手段として活用することはできない。

そのような手段として活用できれば、地方の医師不足の問題と、都市部への患者集中による「3分間診療」(長時間待たされた挙句短時間の診察しかしてもらえない状況のこと)の問題とを両方解決でき、全国の医療サービスの向上に資することになる。

都立墨東病院の妊婦死亡事故を思い起こすと、医師の偏在は東京都内でも深刻な問題であり、国も地方もあらゆる政策手段を動員し力を合わせて問題解決を図る必要があるはずである。

国において、医師不足を解消するための取組みが本気でなされることと同時に、地方でのさまざまな努力が本気でなされ、そしてはじめて問題の解決が図られるのではないのか?

 

また、ハローワークは国の機関である一方、農林水産業の担い手確保に取り組んでいるのは主に地方自治体という現状の中、それぞれが十分連携していないため、地域の人々の暮らしをトータルで成り立たせるという視点がない。

ましてや、地域において人手不足にある業種の問題をも解決するとの「一石二鳥」の発想もないままである。

農林水産業の担い手確保の問題を考えたときに、特に中山間地など規模拡大が困難な地域では、大規模専業農家を想定するのは現実的ではない。

農林水産業だけでは食べていけないという現実の中で、他の仕事も兼業してトータルで暮らしを成り立たせ、耕作放棄地を増やさないようにするという視点が必要であるにもかかわらず、そのような施策はなかなか実施されない。

介護分野等人手不足の分野との兼業も視野に入れながら、トータルで暮らしが成り立ち、地域の産業も成り立つような「ジョブ・コンバイン」とでもいうような取組みや「生業組成」を行い、従事可能な第一次産業と他の産業の組み合わせをパッケージで提示していくことが必要である。

これも地方の自助努力だけでは実現できないのである。

 

さらに「先駆的な取組みに手厚い財政支援を行う」という点。

東京から見ると先駆的に見えなかったり、他の自治体と同じようなことをしているように見える取組みでも、実はその地域にとっては非常に大事なものもある。

しかも、すぐに効果は出なくとも粘り強く取り組み続けなければならない事業もある。

それなのに、それを、やれ先駆的だとか、先駆的でないとか、当事者でもない者がどうして言えるのだろうか?

本来、各地方自治体の事業の良し悪しは、住民自治の下、住民が評価検証すべきものであり、当事者でもない者が、評論家的・一方的・中央集権的に東京から評価する筋合いのものではないはずである。

また交付金の議論を見ていると、かつて苦労しながらも何とか制度を構築した「一括交付金」をなぜ一瞬のうちに跡形もなく粉砕したのかと、疑問や怒りが湧いてくるのを禁じ得ない。

一括交付金は確かに発足当初の評判は良くなかったが、自治、自立、自己責任、地方分権という意味では極めて重要な取組みであったはずであり、改善を重ねていくことで「真の地方創生」をもたらす原動力になったのではないか?と今でも私は考えている。

 

地方創生が大きな政策課題として扱われること自体は非常に良いことだと考える。

このようなことは「最後のチャンス」かも知れない。

しかし、当事者意識に基づかず、深刻な危機感のない、「丸投げ」的で「上から目線」的な発想・手法で行われる限り、所詮「いつか来た道」をまた辿るだけのような気がしてならない。

国が「当事者意識の欠如」を改めること。

そして「財源の地方分権(=住民主権)」に同時に取り組むこと。

それと同時に地方が死にもの狂いで取り組むこと。

これらが一体として行われない限り「真の地方創生」は実現しない。

 

地方創生のためには地方に小児科医を!

1月10日(土)の午後、こどもーるで「Dr.キッザニア in こどもーる」が開催されました。

主催は「宮崎県北の地域医療を守る会」で、延岡市も協力する形で開催されました。

最初に福田政憲事務局長が延岡の医師不足の現状などをこどもにもわかりやすくお話しされました。

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その後延岡市のゆるきゃら「のぼる君」と一緒に正しい手洗いの練習などをした後、こどもたちが、白衣を着、聴診器を持って「お医者体験」を行いました。

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医師不足の現状を認識した上で、何でもかんでもすぐ病院に行くのではなく、手洗いやうがいを日頃からきちんとしてお医者さんにかからなくても良いように自助努力をすることや、お医者さんに感謝すること、などの大切さを親子で学ぶ貴重なイベントでした。

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地方の医師不足は近年非常に深刻です。

医師研修制度が変わったことの影響がもともと大きいのですが、何といっても人口の定住は「医療」と「教育」が一番の決め手です。

特に手がかかる小児科医は極度に不足していて、例えば延岡市内では、持病を抱えておられる80歳近い小児科の先生が連日夜遅くまで診察を続けている深刻な現状があります。

昨年日本創成会議人口減少問題検討分科会が「消滅自治体リスト」を発表して全国に激震が走りましたが、同会は、特に子育て環境の整備が今後の地方にとって極めて重要であると提言しています。

この「宮崎県北の地域医療を守る会」のように、地方も自分達ができること・やるべきことは精一杯やっています。

下記の地元報道にもこのことが表れていると思います。

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しかし個人や地方の自助努力だけでは問題は全然解決されません。

社会保障改革の観点から医療費の抑制は当然必要ですが、その中にあっても、診療報酬の面、地域医療の再編・再生の面、医師研修制度の面、など、あらゆる面から小児科を地方で確保できるための総合的な施策が至急実行される必要があります。

 

ところで、少し話がずれますが、最近悲しい話を聞きました。

ときどき、テレビなどで、

飛行機の中で急病人が出て、CAが「お医者さんはおられますか?」と機内放送をし、颯爽とお医者さんが登場し、皆が安堵する、

という場面があったと思いますが、最近は名乗り出ないお医者さんもおられるとか。

もし助からなかったときに責任を追及する風潮が強いからだそうです。

権利ばかり主張し、感謝の気持ちを忘れてしまっているということだと思います。

こういった現状を、「○○が悪い」と誰かのせいにしても、問題の解決にはなりません。

暗澹とした気持ちになり、何からどう手をつけて良いか、気が遠くはなりますが、私達は、ともかくも、今自分達ができることを一つ一つ全力で実行していきます。

 

「与え合うコミュニティー」の実現

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「こどもーる」(http://codomall.com/)では、去る1月31日にNPO法人つながり(代表者:小川敬之九州保健福祉大学教授)と共催で、「小川先生の脳と体の健康のお話・体操」プラス「ペットボトルで風車を作る」イベント「みんな集まれ!」を開催しました。

これは、「介護予防事業」と「こどもの『生きる力』を育む事業」を同一事業として実施したものです。

1回限りのイベントではなく、今後継続していく事業です。

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介護保険制度の改正により、これまでの「要支援」の方向けのサービスは、今後各市町村ごとの事業に移行する予定です。

これにより、現在は民間のデイサービス等で行われている「要支援」対象のサービスが、今後行われなくなる可能性があります。

「「要支援」の人向けのサービスをどうするのか?」、「効果的な介護予防事業が行われなくなれば、「要介護」に至る人が急増してしまうのではないか?」などの不安が高まる中、現在全国の市町村では、いろいろと模索・検討が行われています。

 

そのような中、私達は、高齢の方々が今まで培ってこられた「生き方」「大切なもの」をこどもたちに伝えていただき、一方でこどもたちは高齢の方に元気と笑顔を提供するという、「与え合う関係」を築くことが必要だと考えます。

さらに言えば、高齢の方々が退職後も引き続き社会に貢献する役割をしっかり担っていただく仕組みをしっかりつくることこそが、真の「介護予防」だと考えます。

しかも、高齢の方々に、現在危機が叫ばれている「家庭の教育力」や「地域の教育力」の低下を補っていただくことが未来への一番の貢献だと考えます。

 

ともすれば、介護保険の世界では、高齢者はもっぱら「サービスの受け手」としてのみとらえられがちです。

またこども・子育て支援の分野でも、こどもや子育て世代は「サービスの受け手」としてのみとらえられがちです。

でも、それぞれが、実は世のため人のためにできることがもっともっとあるはずです。

そして、人のために自分ができることをすることは、自らの自信と誇りにつながります。

このような自信と誇りを持てるようにする施策こそが、今の日本には最も必要なことだと思います。

 

デイサービスと保育園を一体的に整備して高齢者にも子供にも良い効果が出る取組みが「富山方式」と呼ばれていますが、九州保健福祉大学という、こどもの教育の分野も、高齢者福祉の分野も、ともに高度の専門性を持っている総合福祉大学が立地している宮崎県の県北地域において、私達は、『介護予防事業』と『こどもの「生きる力」を育む事業』とを大学・行政と連携して一体的に実施する取組みを「延岡方式」として、民間主導で取り組んでいきます。
それにより「こどもーる」を高齢者と子供が互いに「与え合うコミュニティ」にしていきます。