地方創生のためには地方に小児科医を!
1月10日(土)の午後、こどもーるで「Dr.キッザニア in こどもーる」が開催されました。
主催は「宮崎県北の地域医療を守る会」で、延岡市も協力する形で開催されました。
最初に福田政憲事務局長が延岡の医師不足の現状などをこどもにもわかりやすくお話しされました。
その後延岡市のゆるきゃら「のぼる君」と一緒に正しい手洗いの練習などをした後、こどもたちが、白衣を着、聴診器を持って「お医者体験」を行いました。
医師不足の現状を認識した上で、何でもかんでもすぐ病院に行くのではなく、手洗いやうがいを日頃からきちんとしてお医者さんにかからなくても良いように自助努力をすることや、お医者さんに感謝すること、などの大切さを親子で学ぶ貴重なイベントでした。
地方の医師不足は近年非常に深刻です。
医師研修制度が変わったことの影響がもともと大きいのですが、何といっても人口の定住は「医療」と「教育」が一番の決め手です。
特に手がかかる小児科医は極度に不足していて、例えば延岡市内では、持病を抱えておられる80歳近い小児科の先生が連日夜遅くまで診察を続けている深刻な現状があります。
昨年日本創成会議人口減少問題検討分科会が「消滅自治体リスト」を発表して全国に激震が走りましたが、同会は、特に子育て環境の整備が今後の地方にとって極めて重要であると提言しています。
この「宮崎県北の地域医療を守る会」のように、地方も自分達ができること・やるべきことは精一杯やっています。
下記の地元報道にもこのことが表れていると思います。
しかし個人や地方の自助努力だけでは問題は全然解決されません。
社会保障改革の観点から医療費の抑制は当然必要ですが、その中にあっても、診療報酬の面、地域医療の再編・再生の面、医師研修制度の面、など、あらゆる面から小児科を地方で確保できるための総合的な施策が至急実行される必要があります。
ところで、少し話がずれますが、最近悲しい話を聞きました。
ときどき、テレビなどで、
飛行機の中で急病人が出て、CAが「お医者さんはおられますか?」と機内放送をし、颯爽とお医者さんが登場し、皆が安堵する、
という場面があったと思いますが、最近は名乗り出ないお医者さんもおられるとか。
もし助からなかったときに責任を追及する風潮が強いからだそうです。
権利ばかり主張し、感謝の気持ちを忘れてしまっているということだと思います。
こういった現状を、「○○が悪い」と誰かのせいにしても、問題の解決にはなりません。
暗澹とした気持ちになり、何からどう手をつけて良いか、気が遠くはなりますが、私達は、ともかくも、今自分達ができることを一つ一つ全力で実行していきます。
読谷山 洋司
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