工業団地造成と企業誘致より、もっと重要なことがある

工業団地というものが、全国いたるところにあります。宮崎県内にもたくさんあります。
多くは、ガラガラに見えます。
 
なぜ、工業団地を作るのか。目的はいろいろありますが、メインは県外企業の誘致だと思います。
ではなぜ県外企業を誘致するのか。
「雇用を増やし、地域を豊かにしたいからだ」
と思います。

ところがざっと眺めたところ、単純労働のみを必要とする工場等が多いようです。
 
幸田の住む県南みやこんじょには、いくつかIT企業が進出してきました。
しかしこれも、ITと言えば聞こえが良いのですが、その多くはコールセンターだとか製品テスト部門だとか、重要度が低く低賃金の雇用がほとんどのようです。
 
理由は、実に簡単ですよね。
企業が誘致に応じる時というのは、当然なんらかのメリットがあるからです。
候補地なんて全国どこにでもあります。ライバルだらけです。その中から敢えて宮崎を選ぶメリットとは何でしょうか。
 
気候が温暖。空気がきれい。水が豊富。広い土地が確保できる。・・・・
うん、苦しいですね(^^;
それだけのメリットなら、まだ日本にはライバルとなる候補地がたくさんあります。陸の孤島、大都市から遠い、というデメリットを跳ね返すには力不足です。
 
結局のところ、助成金や税金面での優遇などのいわゆるオマケを除けば、
「低コストで単純労働者をたくさん確保できる」
といったメリットぐらいしかありません。ですから、見ての通りの状況があるわけです。換言すれば、
「凄い人材がたくさん確保できるわけではないので、宮崎を豊かにしてくれるような企業、雇用は創出されない」
というわけです。
 
やっと頑張って企業を誘致してきました。確かに多少なりとも雇用は確保できました。
しかし現実は、最低賃金の労働者が増えるのみ。
これで「地域を豊かにする」という目的を果たしていると言えるのでしょうか。
自治体の人材と多額の税金を投じ、それに見合う成果を上げていると言えるのでしょうか。
 
企業誘致を全否定するわけではありませんが、そもそもそれ以上に重要な政策がある、と幸田は考えます。すなわち「人材育成」です。
 
宮崎発の大企業を興すような、創業者を育成するのです。
あるいは高度なスキルを持つ技術者、専門職をたくさん育成するのです。これは企業誘致政策にも大きなメリットとなるはずです。
 
人材育成とは、いわゆる「ハード」ではなく「ソフト」の方です。ハードより低コストで、うまくやればずっと大きな費用対効果を期待出来ます。
この人材育成という構想が、視点が、宮崎には欠けているのではないかと幸田は常々感じます。ただでさえ人材流出が極めて大きな問題なのにもかかわらず、です。
 
地域の振興は人材育成から始まる、と幸田は考えます。
そしてこれは、日本そのものの再興にも通じる、と考えます。本当に大切なのは、人です。