日本人とは何か。日本の精神とは何か。 - 拙著「新・日本通鑑2」より


 

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その9より続きます。
 
 
その1以来の総括です。
 
太古の日本人は、争いのない「食のユートピア」に住んでいました。
大した労働もせず「衣食住」を持続的に確保し、そのため誰にも隷属せず「個人の自立」を獲得していました。
時間的体力的余力が大いにあり、自らのリソースを芸術性や精神性の向上に振り向けることができました。
 
必要に応じてシンプルな社会に関わるのみで、誰からも支配されず「幸」と「富」を有していました。そこに「和(やわ)す心」という社会思想が育まれ、「平和」に暮らしていたと考えられます。
 
黒曜石の流通から、日本列島全域のみならず周辺諸国とも広く交易が行われていました。いやいや遠く東南アジアとも、真珠の取引を行っていた形跡があるわけです。
友好的な取引関係だとか経済的交流の存在を、読み取ることが出来ます。
 
今日の私達は、そこから何かを学ぶべきではないか、と幸田は考えます。幸せで豊かで平和な時代が、モデルとして太古の日本に存在するのですから。
 
今日の私達は、「個人の自立」を果たしているでしょうか。
「個人の自立」の条件である、「衣食住」の継続的確保が満たされているでしょうか。
それが全くもって充分でないからこそ、誰かに支配され続けているのではないでしょうか。そしてその原因は何でしょうか。
 
本章で述べてきたことを何度も咀嚼すれば、今日の日本社会がいかにインチキ臭いものであるか、見えてくると思います。幾つかのイカサマのカラクリがあり、国民主権(主権在民)の原則や平等主義が骨抜きになっています。
 
本稿では取り扱いませんが、「お金」もイカサマのカラクリの1つです。「グローバル経済」しかりです。取引の本質とは、
「お互いを尊重し、双方対等の立場で利益を尊重し合う」
というものである筈なのに、現実はそうはなっていません。何故ならば「お金」「貨幣システム」自体がイカサマのカラクリであり、その上にイカサマ国際取引ルールが構築されているからです。TPPなどまさに、その極みです。
 
それらは「欲」の原則で成り立ち、不平等に拍車をかけています。
そういったイカサマのカラクリが存在するからこそ、私達の手から「富」がどんどん減少し、幸福度が下がる一方なのです。
その先に「平和」はありません。あろう筈がありません。
 
それを識るために、見抜くために、私達は歴史を学ぶわけです。そこが一番重要です。
「何年に誰が何をして、なんという事件が発生し、どうなった」
という知識をひたすら詰め込んだところで、得られるモノ、役に立つモノは何もありません。
 
幸いにして私達日本人は、素晴らしい歴史を有するのです。模範とすべきモデルがあるのです。
そこから太古の社会思想、日本人の精神を学び、それをもって崩壊しつつある現代日本社会を再建する。インチキ、イカサマに「No!」を突き付ける。その上で、
「これが日本人だ。日本人の生き様だ」
と、世界に示す。・・・・
 
そういう機運を盛り上げていきたい、と幸田は考えます。
そういう意識を皆さんと共有していきたい、と願っています。